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フイルム画像のデジタル化
【複写装置】
image : Photo Depot
フイルムを複写するカメラは,いろいろ試してみた. まずAPSフォーマットでトライ. APSは描画面積が小さいから,APS専用レンズは緻密な描写をするのが常識. それに被写体に接近すればするほど被写界深度(ピントが合う範囲)が狭くなり,0.5〜1mmを問題にするとなると,同じ画角なら焦点距離が短くて被写界深度が深いAPSはこの用途に最適と推測. ところが超近接時はレンズ本体の像面湾曲という特性が係わり,通常撮影でのAPS専用レンズの使いやすさや特性は,影を潜めていた.
像面湾曲とは,本来ピントが合う面は平面なのに,撮影距離などの条件により中央部と周辺部で焦点を結ぶポイントが異り,中央部にピントを合わせると周辺部がぼけ,周辺部に合わせると中央部がぼけてしまう困った性格. とくに一眼レフのミラーを意識し,レンズ後部からフイルム(撮像素子)までの距離が長いAPS専用レンズでは顕著となり,意外にも超安価なミラーレス用でマクロではないシグマ30mmに接写レンズを被せた方がはるかに良かった. 話がそれてしまったが,周辺部も中央部も同時にピントが合うようにするにはもうひとつ,絞り込む手がある. ところがこれもAPSが災いし,回折現象の影響を受けてF5.6あたりを境に解像度が目に見えて下がってしまうのである.
回折現象を平たく言うと,絞り羽根のエッジで光線がかき乱されることだが,影響を受けるのはエッジから一定の距離でレンズ構成とは関係なく,実際の絞りの直径で影響を受ける範囲が決まる. だから同じ画角のレンズなら,実際の絞りの径が小さくなるAPSだと影響が大きくなるというわけ.
また一眼レフのファインダーは,目視で全域のピントの状態を監視するのは困難. だから画面の広い範囲に合焦(ピントが合った)マークが現れる電子ビユーファインダーが使いやすいことも判った. このような事情から,電子ビユーファインダー付のフルサイズのSONYのα7に辿りついてしまった. いつも使っているこのカメラ,最初からこれで試せばよかった.
複写装置にもいろいろあるが,どの機種も一長一短. そこで以前世話になっていたプロクラブの担当OBに,レンズ事情も併せて聞いてみた. 像面湾曲が小さいのはタクマーレンズ(ペンタックス)の50mmマクロだという. 購入して試してみると,接近状態で中央部と周辺部に合焦する. こんなレンズもあったのかとちょっとビックリ.
スライドコピアも新旧いろいろあるが,これもペンタックスが良いとのこと. 入手してみると,マウント付フイルムも6駒カットのフイルムも,簡単に装着できる. 超近接時に最良の性能を発揮するというコンセプトのマクロレンズを造りたくなるわけだ. 現役の職員だと自社製品しか奨めることが出来ないうえ建前で語るしかない. 他社製品に視野を広げた話や本音を聞くには,OBに話を聞くのが良い. 私もOB世代になってこのことに気づいた.
そのペンタックスのスライドコピアに,白の不透明アクリルで手製した照明ボックスを両面テープで接着. 光源は,客車の照明などにも使用してるテープLEDの白色タイプを使用した. 模型店でも売ってる筈たが,アマゾンだと1巻き1000円前後のはず. これより安いものは,レモン色や緑などに色が振れていることがあるから避けた方が賢明.

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